ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第22章 ノワール学園中等部
次の日から授業が始まった。
朝はこれまでより早くごはんを食べて、五条先生の診察を受けてから行く。
学校までは、病院の前からノワール学園や大学なんかを回っているバスがあるのでそれに乗っていく。
「ひなの、おはよう!」
「おはよう、夏樹くん。」
まだ友達は1人もいない。
教室に着くと、そんなわたしに唯一挨拶してくれたのが夏樹くん。
でも、夏樹くんもすぐに友達と輪になってる。
昼休みは食堂に行く。
あらかじめお金がチャージされたカードで食券を買うスタイル。
沢山メニューがあってどれも美味しそう。
でも、だからこそ何を買えばいいのかわからない。
結局、悩みすぎてどうして良いかわからず、食券のいらない棚に並んでたパンを一つ買って食堂の端っこに座って食べた。
そして、授業はというとやはり全然ついていけず。
今まで教科書は読んでたけど、捨てられて読めなかったものもある。
ただただ板書を写すだけで今日は終わった。
放課後、教室を出る前に夏樹くんが声をかけてくれた。
「ひなの、今日は大丈夫だったか?疲れただろ。」
「うん。ちょっとだけ…。でも大丈夫。ありがとう。」
「俺、今日は部活あるんだ。気をつけて帰れよ。」
「うん、またね。」