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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第25章 退院



待ってる間に、さっきから気になってたことを聞いてみる。




「あの、五条先生?」



「ん?」



「ずっと、1人で住んでるんですか?こんなに広くて部屋もたくさんあるマンションに…」



「あぁ。ここはノワールが持ってるマンションなんだ。安く住めるし病院からも近いからずっとここにいる。もちろん、好きなとこに住んでもいいが、まぁ、便利だからここに住む人は多い。入居者は医者や看護師や大学の先生や、みんなノワールの関係者だな。」



「そうなんですか。お医者さんってすごいんですね。」



「医者だってピンキリなんだ。ここまで高待遇なのは、国内だとノワールくらいしかない。でもそれは、杏寿郎先生や義勇先生のおかげなんだぞ。」



「わたしのおじいちゃんとひいおじいちゃん?」



「あぁ。杏寿郎先生も義勇先生もな、これほど大きい病院になっても、金儲けしようなんて気持ちは一切なくて、とにかく1人でも多くの患者を救うこと、そして、医療の発展に貢献したいって思いだった。だから、利益のほとんどを自分の懐じゃなくて病院や働くスタッフに流してたんだ。おかげで、ノワールは資金がたくさんあるし、俺たち医者の給料も他所より高い。大学ができて、中高一貫校もできた。本当に素晴らしい人だったんだ。誇りに思ったらいいぞ。」




ひいおじいちゃんとおじいちゃんの話は何度も聞いた。

そして、何度聞いても信じられないという気持ちとうれしい気持ちで胸が熱くなる。


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