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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第26章 退院したって甘くない


〜ひなのの病室〜




「ヒック…ヒック……、ゲホゲホゲホッ…ハァハァ…ケホッ、ヒック…」



「そろそろ落ち着いて寝ろ。熱下がらないぞ?」



「だって…ケホッ、ケホケホッ…ハァハァ、せっかく退院できたのに、ヒック…」




病室のベッドの上で腕には点滴。

泣きたくもなる。

というか、泣きたくしかならない。




「仕方ない。気温の変化が激しかったし、うちに来てちょっと疲れたのもあるだろ。環境が変わったからストレスになってたんだ。」




鬼五条が優しい五条先生に変わった。

肩のあたりをトントンしながら、優しく話しかけてくれる。




「違う…ケホッ、わたし、すごくうれしかった。毎日おいしいごはん食べれて、温かいお風呂に入れて、ふかふかのベッドで寝れて…コホコホッ、帰る家があって、おかえりとかただいまって言い合える人がいて、ハァハァ…本当にこの1週間すごく幸せだったんで…ゲホゲホゲホッ、す…ゴホッゴホッ…ハァハァ…」



「ひな、呼吸浅くならないように…。ひながそう思ってくれてるならよかった。」



「…ッハァハァ…だから、ッハァハァ…帰りたい…、病院…ゲホッ、やだっ…ゲホゲホゲホッ、ゴホゴホッ…ッハァハァ…ッハァ……ハァハァッ…」



「うん、わかったからちょっと落ち着こう。ほら、ゆっくり深呼吸して。」



「ケホケホッ…スー…ハッ、ゴホゴホッ…スー…ッハァ、ハァハァ…ッハァ…」




五条先生が身体を起こしてくれて背中をさすってくれるんだけど、うまく深呼吸できない。



だんだん、苦しくなってきた…

早く帰りたいのに、これじゃあ帰れない…


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