ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第30章 意地っ張りの代償
「オェ"…‼︎ ゴボッ……ゲホッ…‼︎」
喉の奥にチューブが入れられて痰を吸引される。
この世の終わりかと思うくらい苦しくて、息もできない。
「ひなちゃん、危ないから頑張ってじっとしてようなー!」
と工藤先生。
「ひなちゃーん、えらいぞ〜、もう少しだからな〜。」
と言いながら宇髄先生は容赦なく痰を吸い取っていく。
頭も身体も屈強な先生たちにがっちり押さえられてるから、どんなに抵抗しても身動きは取れない。
目からは涙がポロポロ。
苦しすぎる…
「よーし。ひなちゃん頑張った!えらかったぞ。」
やっと宇髄先生がチューブを抜いてくれて、苦しさから解放された。
「コホコホコホッ…うぅっ…ヒック……コホコホコホッ…」
「苦しかったな、でも少し楽になっただろ?」
と五条先生が酸素マスクをつけて頭を撫でてくれる。
でも、さっきのが苦しすぎて疲れすぎて楽になったかなんてわからない。
「泣くなひな。痰が出だしたから熱もそろそろ下がってくる。たくさん寝たらいいからな。」
と言って、次は五条先生が聴診してくれた。
その間に眠くなってきて、わたしは久しぶりに深い眠りについた。