ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第30章 意地っ張りの代償
「嫌ぁ!!!ゴホッゴホゴホゴホッ…」
「ひなちゃーん!大丈夫大丈夫、怖くないから落ち着こう!な!」
工藤先生は頭から手を離して、今度は身体を押さえようとしてくる。
でも、わたしはきっととんでもないことをされるとわかってるので必死に抵抗した。
「ひなちゃん、何もしないから一旦落ち着こう。息も苦しくなっちゃうぞー。」
と言って宇髄先生にも身体を押さえられる。
さすがにムキムキの2人に抵抗を続けるのは不可能で、呆気なく両サイドから身体を押さえつけられてしまった。
「ゴホゴホゴホッ…ヒック…ゴホゴホゴホッ…」
なんで、五条先生は来ないの…?
わたしは一体なにをされるの…?
と思ってたら、
「宇髄先生、工藤先生、遅くなりました!」
扉の開く音とともに五条先生の声がして、重たい目を必死に見開いた。
手術でもしていたのか、白衣は着てなくて汗だくのスクラブ姿だった。
「ひな〜、暴れたらしんどいぞ?ごめんな、なかなか来られなくて。痰が絡んで苦しくなってるから、今からそれ取るぞ。」
と五条先生はわたしの頭を押さえて、工藤先生には身体を押さえられたまま。
宇髄先生は機械を操作して手に細いチューブを持ってる。
「よし、ひなちゃんお口あーんってしよう。」
怖くて口をギュッと閉じたけど、気が緩んだ隙に宇髄先生の指が口に入ってきてもう閉じられない。
そして…