ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第33章 新しい主治医
「ひなちゃん、どう?まだフラつく?」
藤堂先生がわたしのおでこに手を当てる。
「だいぶマシになりました…」
「少し顔色戻ったね。そしたら、悪いけどさっき血が取れなかったから先にこのままもう一度採血させてね。寝たままするからね。」
今度は藤堂先生が採血してくれるみたいで、腕の血管を探し始めた。
「ひなちゃん制服変わったね。」
恐らく血管があまり浮いてないんだろう。
藤堂先生はわたしの腕を優しくさすりながらたわいもない話をする。
「はい。ブレザーになって、今朝ネクタイ結ぶの難しかったです。」
「今までセーラー服にリボンだったもんね。そういえば、中等部と高等部で制服が違うのはどうしてか知ってる?」
「いえ。理由があるんですか?」
「学校を建てたのはひなちゃんのおじいさん。でも、途中で亡くなってしまったから、今の院長が引き継いで開校したんだけどね、制服を決める時に…、あ、院長の弟の蓮先生は知ってるよね?」
「はい。前にお腹痛くなった時一度会いました。」
「そうそう。その蓮先生と、もう1人、アメリカに豪先生っていう蓮先生のお兄さんもいるんだけど、制服決める時にね、その2人がセーラー派とブレザー派で分かれたみたいで。笑」
「え?もしかして、それで中等部と高等部の制服が…?」
「そういうこと。まぁ、女の子にはどっちも着られてうれしいって人気なんだけど、まさかそんな風に制服が決まったなんてね。ノワールっておもしろいでしょ?笑」
「はい。笑」