ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第42章 お楽しみの温泉タイム
「浴衣の着方も知らんで、温泉から出たらどうするつもりだったんだ。」
…うん、確かに。
「すみません…」
「とりあえず、そっち向いたままで右が下になるように前を合わせろ。そしたらこっち向け。」
と言われた通りに右、左と前を合わせてくるりと五条先生の方を向く。
ドキッ…
振り返ると、浴衣姿で腕を組んで仁王立ちする五条先生が。
浴衣まで似合うんだ…
そして、帯を手に取ると美しい手捌きでサッと帯を結び上げた。
「わぁ、すごい。」
「風呂出たら、とりあえず蝶々結びすれば良いから。後で直してやる。」
「ありがとうございます。」
五条先生って本当に何でも出来るんだな。
できないことが何か知りたくなってくる。
ま、それはまた今度探そう。
ということで、
「じゃあ、温泉に行きましょう!」
「だから待てって…。そんな焦るな、ぶっ倒れるぞ。お茶とお菓子頂いてからだ。」
「え!お菓子食べていいんですか!?」
「あぁ。むしろ今食べろ。」
「やったー!」
と五条先生が入れてくれたお茶を飲みながらお菓子を頬張った。