ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第52章 検査と再発
「ごめんな。決してひなちゃんをいじめたいわけじゃないんだ。やりたくないのもわかってる。怖いのもわかってる。でも、ひなちゃんにこの先ずっと辛い思いさせるわけにはいかない。辛さが最小限で済むうちにちゃんと治療してあげたい。」
宇髄先生の手が背中にそっと添えられる。
わかってるよそんなこと。わかってるから、鬼発言した後にそんなこと言わないでよ。
ムチの後にアメを貰っちゃったら、わたしの胸が苦しいじゃん…。
嫌って言えなくなるし、頑張るって言わざるを得なくなる。
なんで先生たちはいつもそんなにずるいの…。
「わかってる…グスン、わかってるけど、やりたくない…グスン。もぅ、早くお家に帰りたい…。学校に行って友達と喋ったり、五条先生とご飯食べたり、五条先生とテレビ見たり、五条先生の帰りを待ったり、五条先生と…」
…あれ?
わたし、なんでこんな五条先生のことばっかり…。
「とにかく…、治療は嫌なんです。病院なんて大っ嫌い…グスン。」
「うん。全部わかるよ、ひなちゃんの思ってること。でも、俺は医者だからな。ひなちゃんのこと治さなきゃ。今回の治療はな、頑張れば1回で終わりそうなんだ。この前よりも溜まってる量が少ないから、ひなちゃんが頑張ってイケたら1回で終わるぞ。」
「本当に、1回で終わりますか…?」
「あぁ。ひなちゃんがイッたら終わり。頑張れるか?」
「はい、わかりました…グスン」