ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第54章 胸の"トクン"は恋の病
コンコンコン___
「ひなちゃん、こんにちは。」
数日経ったお昼、藤堂先生がやって来た。
「こんにちは。ケホッ」
「あら。またお咳出てきた?」
そう言って、藤堂先生はすぐに首からステートを外しわたしの胸の音を聴く。
そして、聴診が終わると、
「うーん、朝は大丈夫だったんだけどな。いつから?」
「え、えっと…」
「ひなちゃん。隠さないよ?」
と椅子に腰掛けた藤堂先生に顔を覗かれる。
「1時間前くらいです…。」
「うん。ちゃんと教えてくれてありがとう。」
正直に話すと、藤堂先生は頭にぽんっと手を乗せてありがとうって言ってくれた。
「あ、あの…、藤堂先生…?」
「うん?ひなちゃん何?」
ずっと隠してて誰にも話さなかったこと、いい加減話した方がいいのかもしれない…。
ありがとうなんて言ってもらったからか、気づいたら口を開いちゃってた。