ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第54章 胸の"トクン"は恋の病
「藤堂先生…?あの、もしかするとなんですけど…。」
「うん?」
…ダメだ。
いざ言おうと思ったら怖くて言えないや。
「…やっぱりなんでもないです。」
「こらこら、ひなちゃんそれはなしだよ。言いたいことがあるならちゃんと言って?」
そりゃそうだよね。
言いかけたのわたしだもん。
勇気を出して言うしかない。
「あの、わたし、心臓が悪いのかもしれません。だからすごくバクバクしちゃうのかも…。」
「え?心臓痛いとか苦しくなることがあるってこと?」
「痛いとか苦しいというより…」
「ひなちゃん、難しく考えなくていいよ。思った通りに話してみて。心臓がどんな感じなの?」