ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第57章 呼び起こされた過去
「ひな!」
「ひなちゃん!」
もちろん、床に身体はぶつけてない。
五条先生が受け止めてくれたけど、わたしはそれを全力で拒否した。
「やめて!! ハァハァ…触らないで…ッハァ、わたしの身体…ハァハァ、触らないで…っ…ハァハァ」
「おいひな落ち着け!なんで触られたくないんだ、何があったんだよ!」
「ひなちゃん落ち着くよ。何も怖いことしないから。」
「ハァハァ、ぃゃ…ハァハァ…離し、ゲホゲホッ……ゲホゲホゲホッ!!」
「ひな、深呼吸。できるだろ?いつも上手に出来てるんだぞ。」
ってわたしを膝の上で抱える五条先生。
やめてよ五条先生…
わたし汚いんだよ。わたしは汚れてるから、触らないで。
五条先生の綺麗な手も身体も、その瞳すらわたしを映して汚したくない…。
「ゲホゲホッ…ハァハァ…離し、ゲホゲホゲホッ…ゲホゲホッ、ゲホゲホゲホッ…ッハァ、ッハァ…」
「ひな!ちゃんと呼吸しろって!」
「ひなちゃん、目閉じないで!」
先生たちの言うことちゃんと聞けなくてごめんなさい。でも、もうこんな汚いわたしに構わないで…。
そう思いながら、そっと意識を手放した。