ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第57章 呼び起こされた過去
処置室に運び込むと、すぐに藤堂先生とバイタルチェック。
藤堂「血液検査と心電図もしとこう。俺は先に腕の処置しちゃうから悠仁準備してくれる?」
「わかりました。」
と採血の準備をしていると、当直だった工藤先生が来てくれた。
工藤「ひなちゃん、どうした…。」
処置室に入るや否や、酸素マスクをつけて荒い呼吸をするひなを見てそう呟く。
藤堂「朝方、点滴自己抜去したみたい。見つけた時は1時間くらい経ってたかな?後で話すけど、また取り乱して暴れちゃって。」
工藤「本当に何があったんだ?五条先生、俺採血するわ。」
「お願いします。助かります。」
準備した採血キットを工藤先生に渡す。
工藤先生は採血がめちゃくちゃ上手い。
ひなの細くて逃げやすい血管ですら、すぐに見つけてあっという間に穿刺する。
恐らく、宇髄先生に叩き上げられたからだろう。針の扱いはベテラン看護師以上。
その後、心電図をとってひなの呼吸も落ち着いたころ、病室のベッドに連れて帰ってきた。