ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第58章 言葉の刃
藤堂「悠仁に連絡する前、ひなちゃんの部屋には手付かずのご飯と食後の薬が置いてあった。でも、悠仁と屋上から部屋に戻った時は、その薬が無くなってたんだ。あの時、部屋にいたのは姫島さんだったよね?彼女が取ったんじゃないかな。」
神崎「え、なんで?わざわざそんなことします…?」
藤堂「いろいろ話が繋がるんだ。さっき言った通り、俺がひなちゃんの部屋に行った時には、手付かずのご飯と薬があった。ご飯は看護助手が運んだのかな。その時ひなちゃがいなくても、トイレかなと思うくらいだろう。」
「でも、薬は姫島が持って来たとしか考えられない。となると、姫島は藤堂先生よりも早く、ひながいないことに気づいてた…?」
藤堂「そう思ってる。ひなちゃんがいないとわかってたけど、気にも留めずに薬を置いたんだろう。でも、周囲が騒ぎ出して気づいたんだろうね。薬を置いてるとまずいって。で、戻ってみたらタイミング悪く俺たちと鉢合わせたから、あたかも今いないことに気づいたように振舞ってたんだろう。」
工藤「ん?ちょっと待って、ストップ。ごめん、今の話もう1回。藤堂先生、ひなちゃんの部屋には"薬"が置かれてたの?」
藤堂「うん。そうだよ。」
工藤「ゼリーは?ひなちゃん、ゼリーなしで薬飲めなくないか?」