ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第58章 言葉の刃
「あっ…。」
そういえばひな…
宇髄「なんだ、五条。気になることは間違っててもいいから話してくれ。」
「そういえば、屋上からひなを抱いて部屋に戻った時、ひなが一瞬ピクっと身体震わせて、俺の白衣をギュッと握ってきたんです。もしかするとあれは、姫島に怯えての反応だったのかも…って。」
神崎「思い返すと、ひなちゃんの調子が悪くなり出したのも、まこちゃんいなくなってからですね。」
藤堂「動機は検討もつきませんが、俺は彼女がひなちゃんにしたことは全て故意だと思ってます。きっと、ひなちゃんに何か暴言も吐いたんだと。」
宇髄「そうだな。五条への気持ちに気づいたせいかと思ってたが、それだけじゃ腑に落ちないことが確かに多い。ただ、姫島に指導するにしても、全てミスでしたと片付けられたら…、俺は納得いく話でないんだがな。」
それは、ここにいる全員そう思ってる。
こんなの、不注意によるミスだけじゃない。
これだけ話が繋がるんだ、故意でやったに決まってんだろ…。
藤堂「まぁ、本人に聞いたところで本当のことなんて話さないでしょう。薬の件も、記録上は飲んだことになってるので、飲ませてない証拠はありませんし。」
宇髄「そうだよな。とりあえず、師長には俺から話しだけしとく。姫島にも話を聞きたいが、それはまた考えよう。」