ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第7章 ひなのを襲う恐怖②
「五条先生は確かに厳しいとこもあるけど、すっごく優しい先生だよ?たまにひなちゃんを叱るのも、ひなちゃんが心配で苦しい思いしてほしくないからだよ。」
五条先生が優しい…?
「ほら五条先生ってさ、いつもちゃんとひなちゃんに聞いてくれてない?お腹空いてないのとか、なんで眠いのかとか。さっきだって、なんで落ちちゃったのか、どんな夢見たのかって聞いてくれたでしょ?」
たしかに…
言われてみれば、五条先生はいつもわたしの声を聞こうとしてた。
目が覚めて病室を出たあの日も逃げた理由を聞いて…、その後は怒ったりしなかった。
わたしの声を聞いてもらえるなんて、そんなの初めて。
「ひなちゃんが自分の気持ちや思ってることを先生に話せたら、先生は怖くないよ。先生に言えなかったら私にでもいいから、ひなちゃんのこと私たちに教えて?ね?」
コクッ…
あんまり自信はないけど、まこちゃんの言ってくれたことは伝わった気がする。
そう思って頷いた。