ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第60章 治療再開
今のひなに、治療という2文字がどれほど辛いのかはわかってる。
治療中にアイツのことがフラッシュバックする可能性だってある。ひな自身もそれは感じてるはず。
だけど、ひなの身体を考えると心の準備をさせてあげる余裕もない。
「後で宇髄先生が来るからな。検査してそのまま治療もしてしまおう。」
「え…?きょ、今日、治療まで…?」
抱きしめるひなの身体が震えてる。
きっと怖いんだろう。
だけど、ひなに考える余裕を与えたくなかった。
これで治療を明日にしてしまうと、ひなの恐怖も緊張も時間とともに増えると思ったから。
黒柱のみんなで話し合って、直前に言うことにした。
「嫌なのも怖いのもわかってる。でも、ひなの身体優先なんだ。今回は心の準備をさせてあげる時間もない。ごめんな。」
「そんな…」
声も震えてる。背中に回す小さな手もギュッと白衣を掴んでる…。