ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第63章 苦い思い出
"それと、今日は五条先生に相談したいことがあります。"
"わかった。後で飯食いながら話すか?家帰ってからでいいか?"
いや、サインしてもらわなきゃだし、電話より直接話す方がいいよね。
"直接話したいので帰ってからで大丈夫です。待ってますね。"
"ん。で、ひな今どの辺だ?もうつくか?"
"はい、つきました。ちょうどエレベーター待ってるところです。"
"は?"
…え?
と思ったら、突然LIMEの着信音が鳴り響いて驚く。
通話はかけたことあっても、かかってきたのは始めてで、この急かされるような緊張感ある音に、謎に焦る。
どうしよう、出なきゃ。
電話なんて人生でしたことがなく、ためらいつつも応答ボタンを押した。