ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第66章 内科病棟
「ハァハァ……ケホッ、ハァハァ……」
便器の前でしゃがみ込んで20分くらい。
晩ご飯も全部吐き出して、ようやく吐き気が治まってきた。
そろそろ戻らなきゃ…
壁に手をつきながらなんとか立ち上がって、フラフラの身体で部屋へ戻る。
こんな時のたった数メートルが長いこと長いこと。
やっと病室の前に来てホッとしながら扉を開けると、誰もいないはずの部屋に白衣のイケメンと私服のイケメン。
藤堂先生と五条先生が。
嘘でしょ…
わたしはいつもタイミングが悪い。
もうちょっと早く戻ってきてたら寝たふりできたのに。
でも、なんで五条先生がまだいるの…?
五条「ひな吐いた?」
…フリフリフリ
藤堂「吐いちゃったね。」
首を振ってみたけど、フラフラなのと顔色が悪いのと、もうバレバレなんだろう。
藤堂先生にひょいっと身体を持ち上げられ、スタスタとベッドに運ばれた。