ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第67章 鉄剤注射
そして、6回目の注射。
「ひなちゃん、こんにちは。」
「こんにちは…」
正直言うと、今日は本気ですっぽかそうと思ったくらい嫌。
でも、藤堂先生に雷落とすって言われたのを思い出したら、藤堂先生から放たれる閃光が目に浮かんで…
それが怖くて、結局、病院に来てしまった。
注射が恐怖なはずなのに、わたしはもはや何に怯えているのだか…
「あら、今日はこれまた嫌々オーラがすごく出てる。笑」
「す、すみません…。」
「でも、逃げずにちゃんと来てくれたんだ。えらかったね。」
…っ。
すっごく眩しい笑顔で褒められてしまった。
あわよくばやりたくないって言おうと思ってたのに、頑張るしかなくなったじゃん…
「じゃあ、聴診だけしとこうね。」
と、まずはいつも通り聴診してもらってから処置室へ。