ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第9章 食欲不振
「食べないと大きくならないぞ。体力もつかない。」
そんなのわかってる…。
わたしは背が低くて、体重も軽すぎるみたい。
だから、たくさん食べて身体を大きくしたり、体力つけたりしなきゃいけないんだって。
「ほら、もうひと口。はい、頑張る。」
…パクッ
モグモグ…
…ゴクッ
「ゼリー…」
「ダメだ。朝5口食べたんだろ?ならせめて朝と同じだけ食べてからだ。」
ちょ、それは嘘ってわかってるくせに…!
「…ヒドイ」
「なにがひどいだ。嘘つくからだろ?はい、ほら早く食べる。」
そんなやりとりをしていると、
コンコンコン___
藤堂先生がやってきた。
「お、ひなちゃんお食事中だったか。こんにちは。」
「藤堂先生…」
藤堂先生は五条先生と違ってすごく優しい。
ふんわりと柔らかい雰囲気で笑顔はキラキラ。
まるで王子様みたい。
藤堂先生は呼吸器の専門らしくてたまに来てくれる。