ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第9章 食欲不振
「あれ、お粥減ってないね。お腹いっぱい…?」
フリフリフリ…
なんでかわかんないけど、藤堂先生にはいいとこ見せたい。
首を横に振って、お粥を口に放り込んだ。
「藤堂先生が来たら急に食べ始めたな。」
五条先生に余計なことを言われた気がするので、意地になってまたすぐにひと口食べた。
でも、次のひと口でまたもや手が止まってしまった。
藤堂先生を前にしても無理なもんは無理だった。
「ひなちゃん、もう食べられない?」
「ゼリーなら…」
「お粥は?」
フリフリフリ…
「お粥は食べられない?それとも食べたくない?先生に教えて?」
「…本当はもう少し食べれそうです。せっかくもらったごはんを粗末にするのも申し訳ないです。でも、今までこんなにたくさん食事が目の前にあったことなくて、この量見てるだけで食べる前から胸がつかえて苦しくなってしまって…」
「そういうことをもっと早く言わんか…」
五条先生のため息が聞こえた。
「ごめんなさい…」
「そういうことだったんだね。話してくれてありがとう。次からはちゃんと五条先生にも伝えられるよね。」
あぁ、藤堂先生って本当に王子様…