ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第69章 お父さんの心配事
「また今日はなんでうち(小児科医局)に?」
「悠仁にひなちゃんのカルテ見せてもらおうと思ってな。」
「あぁ、ひなのカルテか。って、IDないのか?」
親父のIDなら全患者のカルテ見れるはずだが…
「IDはあるけど自由に使えるパソコンがない。」
なるほど、そういうことか…
「俺ちょうど今システム入ってるからすぐ出すよ。…ん、どうぞ。」
とパソコンにひなのカルテを表示させ、親父に席を譲った。
「悪いな。」
と言って座ると、真剣な表情でカルテを見る親父。
「お前から話は聞いてたが、ひなちゃんいろいろあるなー……」
ざっと目を通してそう呟いた。
「お前も悟くんも、宇髄くんも、みんな細かくカルテ付けてるな。立派立派。」
「細かく書かなきゃいけないほど世話が焼けるんだよ、ひなは。」
「またそんなこと言って。笑」
と親父は笑うが、俺より厳しい親父がひなを相手にしてたら、どれほど雷を落としてたことか。