ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第69章 お父さんの心配事
「それで…、心臓はどうなんだ?」
カルテを読み終わった親父は、少し声のトーンを下げて言った。
「見てわかったと思うが、今はまだなんとも。本人の自覚症状もないから、不整脈だけかといえばそうなんだ。」
「この不整脈はバカにできんぞ…?」
「もちろん。だから、定期的に検査しつつ、運動制限して様子見してる。」
「そうか。今日、悟くんはいるのか?悟くんとも話しておきたいな。」
「医局にいると思う。呼ぼうか?」
「いや、私が行くよ。」
親父は外科医と言っても心臓外科医。
その上、息子の俺が言うのもなんだが、心臓外科医で親父の名を知らない人はいないほどの名医だ。
ひなの心臓が心配だという話をしてから、誰よりも気にしてたのかもしれない。
帰国したら、こうしてひなの状態を確認しようと思ってたんだろう。
親父が藤堂先生のところへ行くと言うので、藤堂先生に連絡を入れ、俺もついて行くことに。
すると、神崎先生も来るというので、どうせならと宇髄先生と工藤先生にも連絡しておいた。