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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第69章 お父さんの心配事



藤堂「ひなちゃんの心臓のことですね。」




親父が何を話しに来たか当然みんなわかってる。

藤堂先生がさっそく話を始めてくれた。




藤堂「心房中隔欠損症。ご説明するまでもありませんが、先天性の心疾患です。ただ、これに気がついたのは去年でした。」




心房中隔欠損症。

要するに、ひなの心臓には穴があいてる。


これは先天性の病気で、後天性のものはない。つまり、ひなには生まれつき、心臓に穴があったということ…




五父「実は、私も栗花落…ひなちゃんのお父さんから、この話を聞いたことがなかったんだ。ひなちゃんの母子手帳でもあれば、最初からわかっていたかも知れないが。よく見つけてくれたよ。」



藤堂「ご両親が幼いひなちゃんに伝えていなくても当然ですし、これを誰も知らなかったのは仕方ないと思っています。それに、当初は成長過程で自然に塞がると言われていたのではないでしょうか。」



五父「私もそう思うよ。ずっと無症状の人もいる病気だから、たとえ穴が塞がらなくても小さければ問題はない。ただ…」



藤堂「ひなちゃんの心臓の穴は少しずつ広がっています。この1年ほどで3mmから8mmに。」



五父「そのようだね…」




ひなの心房中隔欠損は、不整脈が気になって調べた時に見つかった。

親父と藤堂先生が言うように、穴が小さければ何も問題なく、生涯無症状の場合もある。

だが、厄介なことに、ひなの欠損は少しずつ広がっている。


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