ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第69章 お父さんの心配事
『いただきます。』
みんな起きてきて、今日は4人揃っての朝ごはん。
五父「朝食に和食は久しぶりだな〜。」
お父さんとお母さん、普段の食事は洋食が基本みたい。
アメリカ生活が長過ぎて…とかじゃなくて、食材が手に入りにくかったり、すごく高かったりするからだって。
その話を聞いてたから、今日の朝ごはんは和食にした。
とはいえ、わたしが作ったのはおにぎりとだし巻き卵。
焼こうと思って置いてた鮭も、きんぴらにするために切っておいた野菜も、出汁を取って具を入れただけのお味噌汁も、全部お母さんが仕上げてくれた。
五母「ひなちゃんが作ってくれたのよ。」
五父「おぉ、そうかそうか。ひなちゃんはお料理ができるんだな。」
「いえ…ほとんどお母さんが。わたしはおにぎりを握ったくらいです。それに、お料理も五条先生に教わってます。」
五父「おにぎりが握りれるだけで上等だよ。おにぎりを食べたのはもう何十年ぶりだ。」
と、美味しそうに食べてくれるお父さんに、わたしもつい顔が緩んでると、
「ひな、白ご飯嫌いだからおにぎりにしたろ。」
ギクッ…
そ、その通りです。
だって、おにぎりにしたら味あるから…
「考えてることバレバレだな。」
って言いながら、思いっきりおにぎりにかぶりつく五条先生。
そんなこと言って、内心は美味しいって思ってくれてるんだね。
と、ようやく"ツンデレ"というのがわかってきたわたしは、ニヤニヤが止まらなかった。