ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第70章 嘘と隠し事
「今日の結果も特に問題なかったよ。貧血の数値も下がってないし、喘息も大丈夫。でも、吸入器は念のため持って行くように…って、聞いてる?」
北海道かぁ…
大自然が広がってて、牛がたくさんいるのかな?
楽しみだなー。
「ひなちゃん?」
ごはんも美味しいだろうな。
五条先生のお土産は何がいいかなぁ…
「ひなちゃん!!」
ヒィッ!!
「は、はい。」
「こら。僕の話聞いてないでしょ。検査の結果話してるんだから、浮かれてないでちゃんと聞きなさい。行かせないよ…?」
藤堂先生に割とガチなトーンで怒られてしまった…
「ごめんなさい…」
「喘息は落ち着いてるけど、急に発作が起こるかもしれないから、吸入器は持って行くこと。飛行機の機内にも手荷物で持ち込むように。わかった?」
「はい、わかりました。」
「テンションが上がって走り出したり、飛んだり跳ねたりするのもダメだからね。いい?」
飛んだり跳ねたり…
「は、はい…。」
「それから、ひなちゃんの身体のことは引率の校医に話しておくから、何かあればすぐに言うんだよ。」
「はい。」