ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第75章 大事なお話②
ということで、
「あの、五条先生。話すの忘れててごめんなさい。でも、そういうことなので行ってきます!15時までには帰ってきますので!」
とソファーを立ち上がると、
「待て。まだ行っていいって言ってないだろ!話終わってない!」
と言われた。
いつもならまたすぐごめんなさいってなるのに、なぜか今日のわたしはイラッとして、
「どうしてオーキャン行くのにいちいち許可が必要なんですか…?言うの忘れてたのは謝ったんだからいいでしょ?それで行かせてくれないなんておかしい!!」
って反論してしまった。
すると、当然五条先生の鬼レベルは上がり、
「馬鹿か!!そんな理由で言ってるんじゃない!昨日の今日だから言ってるんだ!!」
「昨日の今日ってなによ!!喘息出たくらいで、今朝は元気じゃん!!」
「喘息出たくらいじゃないだろ!喘息なめるな!!それに、心臓もバクバクするってひなが言ったんだろ!!」
「心臓…?なに言ってんの、そんなこと言ったことない!!喘息って言ったかと思えば心臓って言ったり、わたしが覚えてないのをいいことにそんな嘘つかないで!!」
「ひなぁ!!!」
ビクッ!!
周りが口を挟む隙もなく2人で畳み掛けるように言い合ってたら、最恐の一喝をくらってしまった。
いろんな言葉を投げつけられるより、ただ名前を呼ばれるのが1番痛い。
これにはさすがにビクッとなったけど、込み上げてくる涙を溢すもんかと、グッと飲み込んだ。