ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第75章 大事なお話②
宇髄「五条、ひなちゃん、2人とも一旦落ち着け。」
藤堂「ひなちゃん、とりあえず座ろうか。」
こういう時、上手くリセットしてくれるのは、やはり頼れる年長者2人。
興奮して言い合って、どうしようもないこの空気を、2人は自然と立て直してくれる。
宇髄先生と藤堂先生に促されてソファーに座り、わたしも五条先生も一つ大きなため息をついた。
宇髄「とにかく順番に話そう。ひなちゃんが昨日のこと覚えてないならなおさらだ。オープンキャンパスどうのこうのの前に、まずは身体のことを話してやらんと。」
「身体のこと…?」
宇髄「五条、お前からひなちゃんに話すか?」
「いえ…、藤堂先生お願いします。ひなにちゃんと聞いてもらわないといけないので、ここは主治医の藤堂先生から。」
藤堂「うん、わかった。そしたらひなちゃん、今から少し大事なお話しさせてくれる?」
大事なお話…
その言葉を前に聞いたのは手術の時だった。
膣の入り口に炎症が起きてるからって、あそこの手術をした。
大事なお話という言葉にはどうも胸がざわつく。
「大事なお話って…、よくない話ですよね。」
藤堂「うん…、残念ながら良い話ではない。でもだからこそ、ひなちゃんにはきちんと伝えるよ。嫌かもしれないけど、しっかり聞いて欲しい。」
仮に聞きたくないって言ったとして、一生聞かずにいるのは無理だろうし、五条先生だってまた怒る。
わたしは静かにコクッと頷いて、藤堂先生に向き合った。