ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第78章 わたしの心臓
手術が終わってすぐは、無事に目が覚めた、ただそれだけで安心した。
でも時間が経つにつれ、心臓にメスが入ったことが徐々に怖くなってきて、胸を見られるも触られるのもなんだかすごく怖い。
胸を見られるたび、触れられるたびに、
守らなきゃ。
って、とにかくこの心臓は誰にも触れて欲しくなくて、たかが聴診が、されど恐怖の聴診に。
「ハァハァ……お願ぃ、やめて…おねがぃ…ハァハァ」
工藤「うん、わかった。そしたら聴診はやめとこう。もうしないから大丈夫だぞ。」
藤堂「ひなちゃん、胸痛くなっちゃうから落ち着こうか。もう怖くないからね。」
「ハァハァ…ハァハァ……グスン」
工藤「泣かなくて大丈夫だぞ。大丈夫大丈夫。ごめんな、怖かったな。」
そんなわたしの気持ちを、先生たちもわかってくれてるようで無理にはしてこない。
工藤先生も藤堂先生も、わたしの胸にはそれ以上触れないようにして、頭や肩を優しくトントンしてくれた。