ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第10章 眠れない夜
「藤堂先生…」
「ひなちゃん、こんばんは。今日は五条先生当直じゃなくていないんだ。でも、ひなちゃんが怖くて眠れてないかもって言ってたから代わりに見に来たんだよ。やっぱり起きてたね。」
五条先生、そんなこと言ってくれてたんだ…
「ごめんなさい…」
「ひなちゃんすぐ謝るね。何も悪いことしてないんだから謝らないの。五条先生褒めてたよ?ご飯全部食べたって。点滴外すって言ったら、初めて笑ってくれたって。五条先生もうれしそうに笑ってたしね。」
「五条先生も笑うんだ…」
心の中でそう呟いたつもりが、声に漏れてたみたいで、
「ははっ。ひなちゃんおもしろいね。まぁ、たしかに五条先生ってクールだよね。でも、結構表情豊かなんだよ?ひなちゃんにはツンデレみたいだけど。」
ツンデレってなんだ…?
まぁいいか。
「さぁ、夜寝れないとリズムが整わないから、そろそろ目閉じてみようか。」
と言って、藤堂先生はわたしの手を握りながら、布団の上から肩のあたりを優しくトントンしてくれた。
それがすごく安心できて心地よくて、わたしはあっという間に眠りについた。