ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第10章 眠れない夜
そして夜…
お昼ごはんは全部食べた。
夜ごはんも全部食べた。
夜になるまでうたた寝せずにずっと起きてた。
お腹いっぱいで眠くなってもいいはずなのに…
「ダメだ、寝れない。」
目を閉じようとしても開いちゃう。
もうあの人はいないってわかってるのに、わたしの身体は厄介だな…
と、考えながらモゾモゾしていると、ドアがスーッと開いて誰かが見回りに来た。
いつものように布団を口元までかぶって、ドアの方に背を向けるけど…
あれ、また出ていかない…。
背後に誰か立ってる気がする。
五条先生が来たのかな?
と思ったら、
「ひなちゃん、眠れない?」
ビクッ…
この声は…!
そーっと身体の向きを変えて、布団からひょこっと顔を出して見た。
あ、暗くて見えない…
と思ったら、
パチッ__
と小さな明かりがついた。