ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第78章 わたしの心臓
「動くとドクドクするの。動悸が起こって、少し苦しくもなる。手術する前はこんなんじゃなかった。ここまで酷くなかった……」
「余力があるとはいえ手術してすぐなんだから、少しのことで動悸が起こるのも当たり前だ。でも、ちゃんと食べてリハビリすれば回復する。動悸もしなくなってくる。」
「本当?」
「あぁ、本当だ。検査でも穴はちゃんと塞がってたから、心臓はなにも問題ない。あとはひな次第だぞ。」
ぽんぽん…
「……五条先生、…うぅ、グスン…グスン……ヒック」
「もう…、なんで泣くんだよ。」
「だって…」
なんだか一気に気持ちが軽くなった。
ひとりで不安になってたけど、五条先生に大丈夫だって、わたしの心臓は元気だって言ってもらって、
「安心したか?」
コクッ…
すごく、安心した。