ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第80章 医大生、新たな出会い
はぁ…
朝から人にぶつかって、しかもその勢いで尻もちつくなんて。
大学生にもなって、ほんとやだ…
講義開始5分前、今日は後ろの方の席に座り、さっきのことが恥ずかしくて机に突っ伏してたら、
「隣、空いてるかな?」
という声が。
いつもは夏樹くんと並んで座るんだけど、今日は遅れて来るし断る理由もないな…と、
「はい、どうz…」
…っ!?
って顔を上げたらさっきぶつかった人。
先輩かと思ってたのに、どうやら1年生だったよう。
「ありがとう。」
と言ってわたしの隣に座った彼は、
「さっきはごめんね。怪我なかった?」
「は、はい。」
「俺、七海傑(ななみすぐる)。傑でいいよ。それで、栗花落さんってもしかしてハーフ?」
「え?」
七海傑…
いきなり自己紹介されたと思ったら、なぜかわたしの名前を知ってるし、わたしがハーフって…
え?どういうこと??
「あ、さっきぶつかった時、Sorryって言ってたから。色白くてかわいいし、ハーフかなって。違った?」
「ち、違いますけど…。それよりどうしてわたしの名前知っ…」
と言いかけたところで教授が入ってきて、講義が始まってしまった。