ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第80章 医大生、新たな出会い
けれど、数日後。
1日の講義が全部終わって、わたしは大学の図書館にいた。
いつもこうして図書館に来て、課題や勉強をしてから帰ってる。
ちなみに、講義が終われば夏樹くんとは別行動。
というのも、夏樹くんは大学生になってバイトを始めて、ほぼ毎日バイトがあるらしい。
バイトがない日は一緒に勉強することもあるけど、基本的に講義が終わればバイバイして、それぞれの時間を過ごしてる。
ということで、今日も1人勉強をしていると、
「ここ座っていい?」
と聞こえてきたこの声は…
「七海さん…」
「もー、だから傑でいいって。というか、傑って呼んで。はい、言ってみて?」
「え?」
「ほら、七海さんじゃなくて?」
「す、すぅ……ぐる?」
「うん。よくできました。」
よくできましたって…。
そう言ってにっこり微笑んだ傑の顔は、やはりどこか既視感があって、今の"よくできました"も、なんだか聞いたことある気がする。