ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第82章 傑と悟
『ひなの…?』
講義が終わってみんな部屋を出て行く中、なかなか席を立とうとしないわたしの顔を、傑と夏樹が両隣から覗き込む。
夏樹「立てないのか?」
「ごめん…大丈夫だから…ちょっと待って……」
七海「目眩してる?」
「少しだけ……すぐ治るから…」
3限はまだ大丈夫だった。
でも4限の途中からは、正直座ってるのもつらかった。
大学の講義は90分。
この長い講義がやっと終わって早く帰りたいのに、身体がゆらゆらと目眩を起こしてて立ち上がれない。
すると傑が、
七海「ひなの、ちょっとごめん。」
と言って、わたしの手首を掴んできた。