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病院の風景

第1章 入院

病院の三階にある病棟。ここは外科手術を受ける人、術後の経過を観察するために入院している人用の病棟だ。

大腸の手術をするために今日入院した患者がいる。

石川和也、職業は警察官。石川は30歳で、結婚しており、子供も一人いる。職場の検診に引っ掛かり、精密検査を受けた結果、大腸癌と診断された。大腸癌といっても早期癌であり、患部を切り取れば転移もないという、病状としては、心配するほどのことはない段階である。早い段階で見つかったことは、不幸中の幸いであった。

手術は、2日後、午後からの予定らしい。

早速病棟の看護師から、説明を受ける。おもに入院中の注意事項等である。

しばらくして、主治医の先生も様子を見に来た!

主治医は、荒山太一といい、おそらく50歳くらいだろうと石川は思う。

荒山は、

「体調はどうですかね?まー、簡単な手術だから、気楽にしていて下さいよ!心配はないです。ただ、何かあったら看護師に言ってくださいね!」

と言って、忙しそうに出ていった。

次の日になると、手術の助手をする看護師が手術の説明に来た。

本山美晴と名乗るその看護師は、石川の顔を見ると笑顔で挨拶し、何となくウキウキした感じを醸し出しながら早速説明に入った。

本山は、20代後半だろうか。ショートカットの髪型に、普通の日本人の女性というような体型、身長は低めだが胸は比較的大きくナース服がよく似合う。

本山の話し方からは、仕事ができる雰囲気が伝わってくる。

説明は、手術の時間から始まって、手術の際には、穿いているパンツを脱がして、違うT字帯というフンドシのようなものに穿き替えさせてもらうこと、それから、下の毛を手術の邪魔になる部分だけ剃らせてもらうことなど、多岐に渡り、その後了解を取ってから、書類にサインを求めた。

石川は、パンツの穿き替えの説明や、毛の処理の説明の際に、ベッドに座って話を聞いている自分の股間を見つめながら話す本山の視線が気にはなったが、看護師は見慣れてるから、そういうもんなんだろうと思った。

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