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理恵の初体験──ヌードモデルの覚悟──

第1章 理恵、奮戦(女子高生)


ところが、プロのモデル(詩織さんというらしい)のヌードをうまく描けなかったと、彼がメールで打ち明けてきた。

最初からうまくいくはずないよ、と返信したが、

私には思い当たることがあった。

高校最後の夏、二人で行った海。

彼は、ビキニ姿の私を直視できなかった。
見せる側としては、自然に見られるから恥ずかしくないのであって、

あからさまに視線をそらされると、見せてはいけないものを見せているかのような気になってしまう。

私は仕方なくパーカーを羽織った。

女性の肌の露出に免疫がない、つまりそういうことらしい。


それでも、肌を観察しないで合格できるはずはない。

私なりに完全ヌードへの緩衝材になるものないかと考えてみたが、情けないことに、ビキニしか思いつかなかった。

自分の部屋の暖房を利かせて、季節外れの水着姿で自撮りし、写メを送ってみた。

5分後の返信は、「ギリギリOK」。
全体をラフスケッチできたという。

ならば、と、次はブラを取り去り、片腕で乳房を隠して、上半身だけを写メ。

返信を待つこと、5分。

メッセージは、「だめだった……」。

私は、へたりこんだ。

……これは、どうにかしないと。

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