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3度目にして最愛

第1章 1度目は傷心

水城は自室に真っ先に向かうと、勉強机の中央引き出しを開け、恋人だった男が描いた自分の似顔絵が何枚か入ったクリアファイルをひっ掴んで逆さにした。
一枚ずつ丸めてクズカゴに捨てていき、それが終わると洗面所に向かって彼女は入念に手を洗った。

似顔絵はよく描けていた。
一時期は宝物のように思えた。
だが今では吐き気を催す精子がこびり付いた汚物と同じ物。

初恋の男との短い恋愛は、間違いなく星野 水城の恋愛観の根底を歪めさせる要因になってしまった。

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