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先生、出ちゃうよ

第15章 由奈を任せた〜工藤と緋山の治療〜

由奈には俺が渡米することは伝えなかった。
他の先生の回診を受け入れている由奈の気持ちを崩しかねないので俺は由奈にバレないようにそっと旅立った。

アメリカについてからは毎日が忙しかった。
短期間で資格を取るためには朝から晩まで講義や実習に出なければいけなかった。
こんなに勉強したのは大学以来だ。

俺の総合医というキャリアを面白がってくれる人は多くすぐに友達がたくさんできたため、由奈と同じような病状の患者さんもたくさん診させてもらえた。

時間がある時は工藤や緋山にも電話した。
彼らから電話で由奈の様子を聞くと無性に会いたくなる。

由奈に早く会いたい。

2週間もするとそればかり考えていた。

俺は渡米して確信した。

俺は由奈が好きだと。

由奈を患者としてではなく一人の女性として好きだということ。


しかし、この気持ちを打ち明けるわけにはいかない。
俺と由奈は医者と患者。その上彼女は高校生。

俺はこの複雑な感情を勉強に打ち込んだ。

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