異世界転生しなくても美女とハーレム
第6章 天敵あらわる
「それじゃ~、カンパイ~」
仕事帰り、私は加恋、麻理と三人で職場近くの居酒屋に居た。
平均的な都会の居酒屋で、各テーブルとは敷居ができており、個室ふうになっているため会話を楽しみながら飲むのには適している。
「あの……、藤堂さん。 今日初めてお会いしたのに、誘っていただいて、ありがとうございます」
麻理が慇懃な態度で礼を言う。
「そんな、かしこまらないで。
部署は違うけど、栗原さんみたいな若い子が入って来てくれて、わたし嬉しいんだから」
「田中課長も、スミマセン。 付き合っていただいて」
麻理は、わたしにも例を言うが、その瞳には含みを持たせている。
「いや、良いんだよ。
僕も若い女の子と飲める機会なんて、そうないからね」
私の白々しいセリフに、加恋までもが白けた顔をする。
「それはそうとー、栗原さんって彼氏とかいるの?」早くも加恋がジャブを打ち込む。
麻理は、その問いに少し戸惑った表情を見せると、今度はうつむいて首を横に振る。
その"あざとさ"に、私は今更ながら舌を巻いた。
おそらく、何も知らない男なら、この仕草で心を奪われてしまうだろう。
「な、何か訳アリみたいね……」
事もあろうか、加恋までもがアッサリとその仕草に騙されて、心配そうに麻理の顔を覗き込んだ。
(違うんだ加恋、それは演技だ、騙されるな!)私は心の中で叫ぶが、その声は加恋に届くことはない。
「いえ……、あまり人に言える事じゃないから」
「そう……、ごめんなさいね、言いにくい事を聞いちゃって」
ところが、ここからが麻理の真骨頂だ。言いにくいのであれば、言わなければ良いのに、ちゃっかりと身の上話を始める。
「わたし、彼氏はいないけど……、好きな人はいるんです。
でも、その人はなかなかわたしに振り向いてくれなくて……」
仕事帰り、私は加恋、麻理と三人で職場近くの居酒屋に居た。
平均的な都会の居酒屋で、各テーブルとは敷居ができており、個室ふうになっているため会話を楽しみながら飲むのには適している。
「あの……、藤堂さん。 今日初めてお会いしたのに、誘っていただいて、ありがとうございます」
麻理が慇懃な態度で礼を言う。
「そんな、かしこまらないで。
部署は違うけど、栗原さんみたいな若い子が入って来てくれて、わたし嬉しいんだから」
「田中課長も、スミマセン。 付き合っていただいて」
麻理は、わたしにも例を言うが、その瞳には含みを持たせている。
「いや、良いんだよ。
僕も若い女の子と飲める機会なんて、そうないからね」
私の白々しいセリフに、加恋までもが白けた顔をする。
「それはそうとー、栗原さんって彼氏とかいるの?」早くも加恋がジャブを打ち込む。
麻理は、その問いに少し戸惑った表情を見せると、今度はうつむいて首を横に振る。
その"あざとさ"に、私は今更ながら舌を巻いた。
おそらく、何も知らない男なら、この仕草で心を奪われてしまうだろう。
「な、何か訳アリみたいね……」
事もあろうか、加恋までもがアッサリとその仕草に騙されて、心配そうに麻理の顔を覗き込んだ。
(違うんだ加恋、それは演技だ、騙されるな!)私は心の中で叫ぶが、その声は加恋に届くことはない。
「いえ……、あまり人に言える事じゃないから」
「そう……、ごめんなさいね、言いにくい事を聞いちゃって」
ところが、ここからが麻理の真骨頂だ。言いにくいのであれば、言わなければ良いのに、ちゃっかりと身の上話を始める。
「わたし、彼氏はいないけど……、好きな人はいるんです。
でも、その人はなかなかわたしに振り向いてくれなくて……」