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異世界転生しなくても美女とハーレム

第6章 天敵あらわる

それにしても、なぜ麻理は加恋をここまで追い詰めたのだろうか?

私と元々知り合いだったことは伏せているようであった。彼女の意図が見えなかった。

「あの子、私が苦しそうな顔をするのを楽しんでるかのようだった。
課長、気を付けてください」

それは、加恋が麻理を知るずっと前から私も気づいていた事だ。だが、これで益々と麻理への警戒感がレベルを上げた。

「ああ、分かった。 警戒しておくよ。
しばらくは二人で会うのを控えた方がよさそうだな」

「そうじゃなくて」

「ん?」

「あの子、課長の事を狙っているのかもしれません」

「ま、まさか 笑」

笑って誤魔化すが、笑えない。
実際、麻理からの猛烈なアタックは続いているのだ。

「あの子、不倫が倫理的にダメだとか、欠片ほども思ってません。
ただ、わたしを打ちのめして課長から引きはがしたかったんだと思います」

加恋の相変わらずの鋭さに、私は内心舌を巻く。もし、以前からの知り合いだった事がバレたら……、

 殺される。


「でも、今日初めて会ったばかりで、なぜ僕を狙う?」理由は知っているが、あえて白を切る。

「それなんです……」加恋は首をひねる。

またしても、私の腋の下に汗が滲んだ。


「そうだ!」

「な、なんだ」

凄く嫌な予感がする。


「今日、彼女を誘いますから、課長も来てください」

「い、いや、それこそ不自然だろ。
なぜ僕が一緒なんだ?」

「お財布代わりという事にします。 ね」

とても拒否できそうにない雰囲気に、私は初めて胃がキリキリとする痛みを感じた。


(どうして、こうなった……?)




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