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麻理の過激な一言に、私も加恋も凍り付く。
私に至っては、身の危険を感じ、震えが出てきそうな気がした。

「こ、殺すって……、なにも、そこまで……」
いつも私を『殺す』と脅している加恋が、しどろもどろになる。




一瞬、間をおいて「あはは、冗談ですよ。　冗談　笑」と麻理が笑う。

しかし、ほっと胸をなでおろす加恋に、麻理は容赦なかった。

「本気で好きなら、そのくらいの気持ちがあっても良いという意味です。
加恋さん、その人の事を本気で好きなんですか？」

「わ……、わたしは……」加恋は口ごもり、私に助けを求める目をする。

「ごめんなさい。　生意気な事を言って」
麻理は、しおらしく頭を下げた。　見えないがどんな表情なのかは想像できる。


「まあまあ、オジサンをほったらかしで恋バナはないぞ～、さ、さ、料理も食べて、お酒も飲んで、もっと明るい話題もあるんじゃないか？」

私は、なんとか取り繕うが、加恋は散々と打ちのめされて、すっかり元気がない。
ここまで徹底的にやりこまれる加恋は記憶にない。


「そう言えばー、田中課長の奥様って、どんな方なんですか？」


どうやら、次のターゲットは私のようだ……。