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異世界転生しなくても美女とハーレム

第7章 寝室を覗く美少女

私は、脱ぎ散らかした下着やパジャマをかき集める身にまとうと、再びベッドの上で大の字になる。


あの日、加恋と三人で飲んだ後、加恋は私と別れたいと言い出した。
やはり、麻理の攻撃はこたえたらしい。

惜しい気持ちもあるが、私は加恋と別れることにした。
その方が、加恋の為にも良いだろう、いつまでも叶わぬ恋に身を焦がさせるのは可哀そうだ。

そう思った。


私たちが別れたことを察したのか、以来、麻理が加恋を攻撃することは無くなった。

激しい運動の後の気怠い睡魔が、私を包み込んでいった。







「あれ? 今日は栗原さんは休みか?」

「なに言ってるんですか、課長。
彼女、今日は引っ越しがあるから、休みますって申請が出てますよ」

木下は「知らないんですか?」と言った表情をした。

「そうか……、あまり気にしてなかった」

「課長って、女の子には優しいのに、なんだか栗原さんの事は避けてますよね?」

素人童貞のくせに鋭いところをついてくる。苦々しい思いで、私は反論する。

「俺は、男女分け隔てなく優しいよ。 変な事言うな」

「その割には、俺には厳しいですよね~」

「それは、愛のムチだ」


木下に付き合って馬鹿な会話をしてしまったが、麻理の引っ越しの事が気になった。
あれほど続いていたメッセージの送信が、昨日の夜から途絶えている。

(男でもできて、同棲でも始めるのか?)

麻理に限って、そんなことはないだろうと思ったが、いっそのこと、そうなったら楽にられるのではないかと期待してしまう。


「課長、書類、ここに置いておきます」

不意に声をかけられて、私は、ビクッと反応してしまう。
声の主は、加恋だった。

目が、何かを訴えている。

私は、加恋が立ち去るのを待って、密会に使用していた非常階段へと向かった。




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