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変態ですけど、何か?

第12章 再会と出会い

有給休暇が終わって、また日常が始まった。

あたしは、白ののブラウスに、黄色いミニスカート、ベージュのパンストという出で立ちで会社への満員電車に乗る。

もちろん、ブラとショーツを着けないのも、今まで通り。

そして、いつもの通り、痴漢さんたちの餌食になりながら、ターミナル駅に到着した。

ミニスカートから伸びた脚への、いやらしい視線を感じながら、エスカレーターに乗り、
改札に向かって歩き出したとき、後ろから男の声があたしを呼び止めた。

「柚木?」

あたしは振り返った。

スポーツ刈りの、見上げるような大男が、笑顔を浮かべて真後ろに立っていた。

「?」

見覚えのない人。

確か、電車の中でも、見掛けなかった。

多分、あたしの空耳。

そう思って、また歩き出そうとすると、また、声がする。

「柚木、里帆さんじゃないですか?」

間違いなく、あたしを呼んでいたみたい。

「どなたですか?」

あたしは相手の顔をじっと見詰めて尋ねた。

「オレのこと、覚えてないかなあ?」

そう言われても、どうしても思い出せない。

あたしが首をかしげていると、男はしびれを切らしたように、自分から名乗った。

「黒田だよ」

「黒田さん?」

「わからないかなあ?黒田勇太。
小学校の体育館って言えばわかるかな?」

男の顔を、もう一度じっくりと見て、記憶が蘇ってきた。

「勇太君?あんまり立派になってるから、わからなかったわ!」

「ひでえなあ!初体験の相手なのに」

「そうだよねえ、ごめんね」

あたしは、小学校時代の事を、次々に思い出した。

「柚木、こっちの方に引っ越してたんだ。今から仕事?」

「そうだよ。勇太君は?」

「オレは、親父の会社に入って、今、修行中みたいなもんだよ。本社が、こっちなんだ」

「へえ!次期社長さんなんだね?」

「ははははっ!まあね」

勇太は豪快に笑った。

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