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変態ですけど、何か?

第12章 再会と出会い

身支度を整えて、靖子は私を家まで送ってくれる。

クラウンの助手席にちょこんと収まる私に、靖子は言った。

「ねえ、里帆。私と暮らさない?」

「う~ん、靖子の家からだと、職場が遠くなっちゃう」

「だからね、仕事、辞めない?
生活費は、私が何とかするから。
お小遣いだけは、アルバイトでもして稼いでくれたら」

「でも、それは靖子が大変じゃない?
タクシーって歩合給なんでしょ?」

「うん。でも、贅沢しなければ、2人の生活には困らない位は稼げるし。
今週みたいに、土日をゆっくり過ごせることって、年に何回もないのよ。
サービス業だから、人が遊んでる時に働かないと・・・」

「そう、だよね。平日は、あたしもそんなにゆっくりしていられないしね・・・」

あたしは迷っていた。

コールセンターでの仕事、面白くはなかったけど、殆んどが通販商品の注文受付と問い合わせだった。
苦情処理や、支払いの督促等は、別の部署の担当で、仕事自体はストレスもあまりなくて、精神的にも楽なのだ。

その分、他の部署より給料は安かったけど、女が普通に一人暮らしするには、充分な金額だった。

「ちょっと、考えてさせて」

私は言った。

正直に言うと、靖子の誘いは魅力的だった。

別に、経済的に靖子に頼るつもりはなかったが、

いつでも一緒にいられるのは、凄く魅力だった。

それに、今のアパートは、淳也に知られている。

おそらく、無謀なことはしないとは思うけど・・・。

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