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変態ですけど、何か?

第10章 レクイエム

駅の改札口で、玲子先生が待っていた。

先生に授業以外で逢うの、1ヶ月ぶりくらいかな?

淡緑のチュニックに、真っ白なパンツを合わせて、赤いカーディガンをウェストで結んでいる。
ヒールの高い白いサンダルは、長い脚をさらに長く見せていて、モデルみたい。

誰かが『天は二物を与えず』
なんて言うけれど、
玲子先生には、美しい顔にスタイル、音楽の才能、頭脳と、幾つも与えてる。

「玲子先生、お待たせしました!」

あたしが眩しそうに見詰めると、

「本当に待ったわよ!1ヶ月以上も!」
そういって、人前も憚らずに、あたしを抱き締めた。

「玲子先生!」

柔らかな玲子先生の胸に顔を埋めた。
優しい指が、あたしの髪を撫でてくれる。

回りから遮断していた心が、解れていくような気がする。
あたしの目から、涙があふれて、玲子先生の胸元を濡らしてしまった。

「いろいろあったみたいね」

あたしは、頷いた。

「辛かったのね。とにかく、うちに行こう。
詳しい話しは、それからね?」



部屋に着くと、あたしは玲子先生の唇を求めた。

とにかく、玲子先生に触れ、
もっともっと、しっかりと抱き締めて欲しかった。

玲子先生は何も言わずに、あたしの心も身体も、心地よく包み込んでくれた。

あたしたちは、ずいぶん長い間そうしていた。

やがて、玲子先生が言う。

「とにかく、コーヒーでも飲まない?」

「はい。いただきます」

いつものように、玲子先生はコーヒーを淹れてくれる。

コーヒーの香ばしい香りって、いつもあたしの心を癒してくれる。






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