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誓いのガーランド

第9章 花冠の代わりに 2

角村は花実を、店を出てすぐのところにあるベンチに座らせた。

「とりあえず、ここに座って水飲もうか」

角村が、自販機で買ってきたペットボトルの蓋に手をかけて回す。
キリリッと蓋が空く音が夜の空気に響いた。
蓋を開けたまま、そっと花実に水を手渡す。

「ありがとう……、あ、お金」

「いいよ、これくらい」

角村が柔らかく笑う。花実は彼の厚意に素直に甘える事にした。
花実がもう一度お礼を伝えて、ペットボトルの水を受け取る。角村は荷物を取りに、もう一度宴会場の中へと入っていった。

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