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誓いのガーランド

第9章 花冠の代わりに 2

その瞬間、2人は、あの物語の花畑にいた。
陽光が降り注ぐ。
ここは夜ではなく、昼。ふわっと暖かい風が吹いて、花の匂いがするような気がした。
色とりどりの花が、2人を包む。
花実は、その光るネクタイピン……花冠に触ってみたくなった。

「エマ、二人で幸せになろう」

角村がゆっくりと花冠を持ち上げて、花実の頭に載せた。

その手が少し、花実の頭に触れる。触れられたところから、熱を持つ。

彼がにっこりと花実に笑いかけた。


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