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不倫研究サークル

第9章 ハプニング

買い物を終え、僕たちはホテルへ戻ったのだが、また陽菜が挑発してくる。

「圭~、家族風呂が使えるんだって、一緒に入ろうよ」

「ブーーー! そんなことできる訳ないだろ! 大浴場で良いよ」

「笑 そう言うと思った」

「言うだろ、普通!」

「でも、ママから圭の背中を流してあげなさいって言われてるんだよね」

「そうなのか?」

いやいや。そんな事が許される訳がない。

ブルブルと僕は首を振る。


「また、そんな深刻な顔をする。 一緒にお風呂入るだけなのに、何が問題なの?」

「なにがって、陽菜はまだ子供だし、僕たちは恋人同士じゃない、だから……」

「だから? お風呂に一緒に入っちゃいけないの?」

「そ、それは……」

「ワタシみたいな子供に、圭はお風呂で変な事をするの?」

「する訳ないだろ……」

「じゃあ、別に問題ないじゃない」


(くっ! 相変わらず屁理屈を)

おそらく、屁理屈を捏ねさせたら、地上最強のJCなのではないだろうか、陽菜は。


「わかったよ。でも、身体は自分で洗う」
「陽菜も自分の身体は自分で洗え」


「やったー」
「じゃあ、さっそく行くよ~」


このまま陽菜のペースで過ごしていたら、夜、どうなるか分かったものではない。

どこかで線を引かないと、取り返しのつかない事にもなりかねない。

予防線を張らなければ……。


浴室へ向かいながら、僕はブツブツと独り言をつぶやいた。

「あった、家族風呂、ここだね」


が……。


(う! 文字が……、エロい)

達筆で書かれた『家族風呂』の文字が、やけにエロく見えるのは僕に少しでも邪念があるからだ。

とにかく、落ち着かなければ。




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