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不倫研究サークル

第11章 リケジョ

女子大生、と聞いて僕は思わず反応してしまう。

考えてみれば、僕は未だに『恋人いない歴=年齢』なのだ。

小梢との関係は『嘘の恋人』、陽菜とは恋人に慣れない、そして佳那とは不倫関係で、未だに普通の恋人関係を構築できていない。

(なのに、経験人数が二人ともいうのも変わった経歴でもある)

「珍しいですね、てっきりまた人妻が相手かと思っていました」

「だろう~、苦労したんだぜ」
「先月、お前が失恋したって言ってたから、岸本や田沼さんと話してな、なんとか元気付けようって、片っ端から当てを探したんだ」

「え、僕のためですか?」

「そうだよ、お前の落ち込み様が、あまりにも酷かったからな、皆、心配してたんだぜ」

何を考えているか、つかみ処のない先輩たちだが、そんなに僕の事を心配してくれていたのかと思うと、嬉しい気持ちになった。

「あ、ありがとうございます」

僕は少し、涙ぐむ。

「それでな、相手の女子大生なんだけど、4月の合コンで一緒になった今村さんの娘さんと、その友達なんだ。 全員、明媚大学の一年生だ」

一年生という事は、僕と同学年だ。という事は新しい出会いがあるかもしれない。

「お前が気に入った子にアプローチできるように、俺たちが援護するからな」
「頑張って、新しいカノジョを作れよ」

たしか、岡田も恋人はいないはずだ。それなのに、僕を優先してくれるというのだから、感謝の気持ちでいっぱいだった。

「ありがとうございます、岡田さん。 僕、先輩方になんと感謝して良いのか」

「感謝するには、まだ早いぜ。 それに、その女子大生なんだけど……」

岡だが口ごもる。

「なにか?」

「全員、リケジョなんだ」

リケジョ……、さっきまでの高揚とした気分がやや薄れ、


僕に一抹の不安がよぎった……。




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